梅雨や台風の時期になると雨漏り被害が多くなります。雨漏りを放置してもろくなことはありません。
この記事では家の所有者・賃貸住宅の家主さん向けに、
▶︎雨漏りを放置する事で起こること
について記していきます。
雨漏り放置により起こること
シロアリの発生
雨漏りによって建物内に入った水分により湿気がたまり、湿度が高くなります。この場合、シロアリが発生しやすくなります。シロアリは水分を含んだ木材などを好み、それらを餌にして増えていきます。驚く事に、シロアリはコンクリートをも噛み砕きます。コンクリート造だからと言って安心は出来ません。(参照:シロアリ - Wikipedia)
カビの発生
また、湿度が高いとカビの発生にもつながります。カビは湿度80%以上で気温5℃〜35℃で発生しやすくなります。(参照:カビQ&A | 衛生微生物研究センター)カビによって喘息を引き起こす可能性がありますね。
ダニの発生
湿度関連で言えば、ダニの発生もあります。ダニは温度20〜30℃で、湿度は60%〜80%で発生しやすくなり、喘息やアレルギーによる健康被害も考えられます。
建物の劣化
長期の雨漏りの放置により建物の金属部分は錆び、木の部分は腐れ始めます。この現象が建物の広範囲に広がると、建物が本来有していた強度よりも下がってしまいます。広がらなくても腐食部分が建物の構造上主要部分であれば、それだけで大変な事です。
このように、雨漏りを放置すると健康被害もあれば、シロアリや腐食による建物の劣化も起こるのです。
放置したところで勝手に直るものではないので、「ほんの少しの漏れだから…」と放置せずに、しっかりとした対策をとらなければなりません。強度の面に関しては、建物の価値をも下げてしまう事になってしまいます。
【雨漏りで起こる事】
- シロアリ
- ダニ
- カビ
- 建物の劣化
上記以外でも、雨水によって家財(テレビ等の家電やタンス等)が被害を受けることも考えられます。
余談ですが、火災保険には風災被害に対する補償があります。(ご自身の家財に対しての補償です)これは台風被害に適用されるはずです。以下、損保ジャパンのHPから
Q.雨漏りは火災保険で補償されますか?
A.台風などにより屋根の一部が壊れ、そこから雨が吹き込み、保険の対象が被害を受けた場合は補償されます。
ただし、台風により屋根が飛んだり窓が割れたりした訳ではないが、老朽化やもともとあった隙間などから、自然と大雨がしみ込んできた場合などは補償されません。
私は不動産業界にいますが、扱う物件で「過去に雨漏りがあった」と聞くと、ちゃんと修繕は済んでいるのか不安になります。また、雨漏りは気づかないところで発生していることもあります。雨漏りで床下に雨水が溜まり、その湿気により、その上の畳にカビが発生するという物件を見たことがあります。住んでいる人は気付いてなくて、床下をみると水溜りがありましたね。室内はジメジメ、湿気くさい…
また、アパートやマンション・貸家等の賃貸物件の所有者には修繕義務(民法606条)があります。
<民法606条>
賃貸人は、賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負う
『引用元:民法第606条 - Wikibooks』
賃借人との間で争い事が起きなように、たとえ小さな雨漏りだとしても、それ以上悪化する前に、速やかに修理・修繕をするべきです。
話しが少し逸れましたが、少しの漏れでも発見したのなら、被害が拡大する前に早急に修理対応しましょう。