心理学!認知的不協和を知ろう
心理学には「認知的不協和」という人の心理状態があります。この状態を知って、理解し利用することで仕事やマーケティング、プライベートなどに応用することが出来、あらゆる場面で活用し自分有利に事を運ぶことが出来るでしょう。
まず、「認知的不協和」これは一体どういう事なのか?説明します。
【認知的不協和】
人が自身の中で矛盾する認知を同時に抱えた状態。またその状態で覚える不快感を表す心理学用語。アメリカの心理学者レオン・フェスティンガーが提唱した。
「人はこれを解消するために、自身の態度や行動を変更する。」
[引用:認知的不協和 - Wikipedia]
ということです。ここで挙がっている「人が自身の中で矛盾する認知を同時に抱えた状態」とはどのような状態なのか、噛み砕いて説明します。
同時に2つの矛盾する認知が存在とは?
例えば、「食べる事が好きなあなたが、健康やスタイル維持の為にダイエットを決意したが、カロリーの高いスイーツが目の前にある時。」
この時、自身の中には二つの認知的不協和というストレスが存在します。「自分の目の前には好きなスイーツがあり。これを食べたい」しかし「ダイエットを決意した。ケーキはカロリーが高く太りやすいので食べない。」という不協和です。
これを「認知的不協和」と言います。
そしてあなたは決断しました。「スイーツは食べて晩御飯を抜く(又は量を減らす)」という決断です。この決断こそ「人はこれを解消するために、自身の態度や行動を変更する。」ということです。
そしてこの決断を下す際に人は、自身に都合の良い方向に考え方も変更します。「甘いものを食べても他の食事を減らせばダイエットは成功する」という感じです。
人は考え方を変更することで、次に同じような状況になって不協和が発生してもストレスにならないように、解決する答えを用意しておくのです。時には事実を否定してでも矛盾を解消しようとします。
自分の「信念・考え方」と「事実」がぶつかるとき不協和が生まれる。
良い例、イソップ物語「すっぱい葡萄」
よく例えられる物としてはイソップ物語の「すっぱい葡萄」が挙げられます。
キツネがたわわに実った美味しそうな葡萄を見つけます。葡萄はみな高い所にあり、食べようとして飛び跳ねるが届かない。
何度跳んでも届かない。キツネは悔しさと怒りで「どうせこんな葡萄はすっぱくてマズイだろう!誰が食べてやるものか!」と捨て台詞を残して去って行った
[引用:すっぱい葡萄 - Wikipedia]
という話が良い例だ。このように捨て台詞を残し、「手に入らない」事実を「食べる気が無い」という事に気持ちを変更して正当化し、心の平安を保とうとするのです。
不協和の解消方法は「自分を正当化する」
「高級外車」がカッコよくて欲しいと思っているが(考え方)、手が届かない時(事実)。「あんなの税金が高い...」「維持費が大変だから...」、「中型クラスの車でいいんだよ」と周りに言うことで買えないストレスを解消し自分を正当化することもそれにあたります。
職場では、嫌いな人(考え方)の頼み事を(例えばコピー)一度受け入れてしまったときに(事実)、「嫌いだから引き受けたくなかったけど、今なら手が空いてるしコピーぐらいならいいか。」と自分に言い聞かせて正当化します。
恋愛では、付き合っているときは「相手は完璧で~」と惚れ込んで周囲にも自慢していたが(考え方)、別れた後にボロクソに文句が出てくるのは、好きなのに別れたこと(事実)を正当化するためです。
逆に、交際している相手の嫌な部分を見つけても(事実)それよりも良い部分を見付け「そこが好きなんだ」(考え方)と自分に言い聞かせ、心の平安を得て好きであることを正当化させるのもそれにあたります。
まとめ
人はこれまで持っていた「信念や考え方」に対する新たな「事実」が出たときに、認知的不協和というストレスが発生し、自分の中に存在する矛盾(ストレス)を解決するために、自分が納得する都合の良いように答えを探します。そして全てを正当化しようとするのです。
ビジネスシーンで活用するには、この「都合の良い」ようにとれる言葉や考え方をお客に残すことがキーになるでしょう。