日本と欧米では建物への価値観が違う。本来ならもっと利用でき、価値のある建物なのに、日本の風習というか独特の慣例でその住宅の価値は0になる場合もあるのだ。
その価値のズレが大きく表れるのは中古住宅市場だ。
欧米(海外)では古い程価値がある!?
日本の中古住宅市場では、築20年、30年と聞くと「古い建物」という理由だけで敬遠されがちだ。だが、欧米では新築よりも古い建物程価値があり、その売買も盛んに行われているのだ。
実際、欧米での住宅の売買取引の9割が中古住宅である。一方、日本では2割にも満たない、その殆どが新築住宅が流通しているのだ。
日本では、建物は年数が経つごとに価値が下がると考えられている事が原因になっている。
何故価値が下がるのか?
それは、財務省が定めた「減価償却、耐用年数」の基準があるからだ。
例えば木造住宅は、財務省が定める基準では、22年とされている。鉄筋コンクリートの住宅では47年で減価償却を迎える。この基準が、「築22年を迎えると建物に価値が無い」と判断させているのだ。”実際はまだ利用できるのに価値が無い=資産価値が無い”という判断にさせて、居住や投資目的で中古住宅を購入したりする人の判断を惑わせている。
メンテナンスを行って、価値を維持する欧米
欧米では、建物の寿命は日本よりも長く考えられていて、長いもので100年を超える基準もある。
欧米では中古住宅の購入者自身でリフォーム、メンテナンスを頻繁に行う。DIYだ。
これによって建物の状態を維持している。そして、建物を手放す際には価値の維持が行われていて。場合によっては買った時より高く売れる。利益が出る事もあるのだ。
これは立派な投資だ。
欧米では将来売る事も念頭に入れて家をメンテナンスし、価値を維持しているのだ。日本では家を買うことが目的になっていて、一度購入したら手放さない考え方だから特にメンテナンスもしない事も多い。欧米では家族の増減によって家を買い換える事も多い。日本と考え方が違う。
日本では難しい中古住宅流通
日本では家を建てるにも土地を探す事も難しい。欧米のように中古住宅の流通が活発になれば新築を購入するよりも比較的安価で土地付きマイホームを手に入れる事が出来、経済的にも活性化が図れると思うが、「人が使った物は…」と敬遠する。キレイ好きな国民性、新品に拘る性格からか、元からある建物を壊してでも新築を建てようとする。欧米のような価値観を持つのは難しそうだ。